2003-01-01から1年間の記事一覧
「オレは愛に生きる男、いつでも彼女への愛に燃えてるぜ。」 「ふーん、だからいつも燃え尽きて何も残らないんだね。」 こんばんは、恋愛相談室です。 医療相談の相談員なら国家資格を持つ医師が相談に乗ってくれ、法律相談ならたいていこれも国家資格を持つ…
ひどい下痢でひどい下痢で・・・・・。 用を足した後便器を覗くと食べたものの形がわかる。あまり気持ちのいいものではない。 いったいどうしたものかと考えていたら同僚の秋田君(仮名)が言った。 「元の形がわからなくなるまでよく噛んで物を食べれば形がわ…
ここんところずーっと体調が悪い。 熱を測ってみるとだいたいここ一ヶ月の間、37°くらいの熱がある。いわゆる微熱。 たいした熱ではないのだけれどさすがに一ヶ月も続くと体力を消耗するのかけっこうきつい。 毎朝、熱を計ってみては下がらない熱に首をか…
昨日は病院に行ってきたのですが、そこで血も凍るようなものを見ました。 皆さんこれご存知? いわゆる点滴スタンドです。 上部のフックに点滴器具をぶら下げることが出来、下の足の部分に滑車がついているので歩行可能な患者さんがこれに点滴をつるして病院…
『背中を見せちゃいけない。坂の途中で振り向いちゃダメだよ。後ろには誰・・・・・・・・』 誰? 『誰』の後にあいつなんて言ったけ? 幼馴染のあいつがそろばん塾から帰る途中にある坂で死んだのは去年だった。ちょうど今頃、夏休みに入ったばかりのころ。…
去年子供が生まれた友達と久々に会った。 彼は自分の子供ことを(当たり前といえば当たり前だけど)いつもすごく嬉しそうに話す。 「やっ。」 「やっ、ひさしぶり。」 「元気?」 「元気元気。」 「奥さんと子供は?」 「元気だよ。」 「大きくなった?子供…
雨の夜に僕ははさみを使っていました。 はさみを使って何をしていたかというと、チューイングガムの包装紙をチョキチョキと切っておりました。ベルマークを切り取っていたのです。 ベルマークを集めるのが趣味というわけでもなければ、実は世の中にはヘビー…
僕の部屋は夏暖かく、冬は涼しい。 いうなれば、僕の部屋には暖房も冷房もない。 だが会社には冷房がある。 冷房があるのはいいのだけれど、取り付けられている位置が僕の席の真上の天井なのだ。僕の頭の真上から冷たい風が吹いてくる。だから僕は毎年いまく…
神様なんていない。 僕はやるせない気分で不公平な世界にため息をついた。もし神様がいたなら、この世界に対してやることがいっぱいあるはずだ。なのに世界はおかしなことばかりで、何一つ奇跡も起こらずよくもなりもせず、ぐるぐると時間を回しながら今日か…
待ち合わせのため僕は喫茶店で一人、ぼんやりと窓の外を眺めていた。待ち人はなかなか現れず取り残されたような気分でぬるくなっていくコーヒーと曇り空の下の風景を窓越しにかわるがわる眺めていた。 狭い喫茶店の中には店員のほかは僕と一組のカップルらし…
後向きな性格の人の名前が「進(すすむ)」だったら、それは名前負けというのだろうか? いじめられっ子で、受験に失敗し、なんとか就職するも会社からリストラされ、その後自分で事業を起こすもすぐに倒産し、妻は子供連れてアパートを出て行ったあと、友人…
飲み会でみんなと別れて帰り道、盛り場を抜けようと一人歩いていると僕と同じようにほろ酔い加減の学生らしい男が反対側からやってきた。すれ違うときにうっかりその男と肩がぶつかってしまった。 「いてっ!」 「あ、わりい。」 と、反射的に僕は謝ったのだ…
「彼女にするなら。」 「はいはい彼女にするなら?」 「やっぱりおっぱいが大きい方がいいと思ったんだよ。」 「ふーん。」 「ボインには男のロマンが詰まってる。」 「本当は脂肪分が詰まってる。」 「そういう言い方するなよ。」 「でもそんなに大きい方が…
「スポーツ新聞で。」 「はいはいスポーツ新聞で?」 「動物がらみの事件で記事が載ると必ず駄洒落を使うでしょ。」 「駄洒落?」 「そう駄洒落。ほら、見出しとかで。」 「例えば?」 「例えば犬が泥棒を捕まえたら‘飼い犬お手柄ワンダフル’とか見出しをつ…
「ただいま。」 アトムが学校から家へ帰ると、そこではオトウサンとオカアサンが待ち構えていた。 「おかえりアトム、早速だがこっちへ来なさい。」 オトウサンが玄関へ顔も見せずに声だけでアトムを呼んだ。ソナーによると声は居間からだ。アトムは「なんだ…
トゥルルルルルー、トゥルルルルルー、トゥルルルルルー、ガチャ。 「・・・・・もしもし?」 『俺だ。』 「なんだよ石川君じゃないか。どうしたんだよこんな夜中に。僕はもう寝てる最中だったよ。」 『ふーん。』 「‘ふーん’って・・・・・。」 『それで?…
久しぶりに福岡君と会って飯を食べる。 なんていうのか古い話。 福岡君が飯を食いながら古い話を、昔よくみんなが言った話を言い出した。 「ウンコ味のカレーとカレー味のウンコ、食べるならどっち?」 ほらあれ、究極の選択とかいうヤツの一つ。究極といっ…
「俺ね、彼女できた。」 「あ、そうなの。おめでとう。どうやってつかまえたの?」 「ん、まあ、わりとようある話で。」 「ふーん。」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・・・おい。」 「なに?」 「‘ふーん’じゃないよ。」 「なんだよ。」 「普通は‘ふ…
気がつくと私は砂浜で倒れていた。 波打ち際で倒れていた私の足元に波が寄せて引き寄せては引いている。 ふと隣を見ると犬が私と同じように横たわっている。 いったいこれはどうしたことだろう? そうだ。思い出した。 私の名はタロウ。 私は4人の仲間たち…
僕はかつて魔王を封印したことがある。 それはとても寒い日だった。 当時学生だった僕はあてもなくふらふらするのが好きな人間だった。その日も僕は原付にまたがるとあてもなく学校をサボってふらふらと出かけた。 本当に何のあてもなく、ふと思いつきで山の…
石川君とファミレスへ行ったときのこと。 石川君が入り口の扉を押して開けたのを見て、僕は後ろから「あっ」と言ってしまった。扉には‘引く’と書かれたプレートが貼られていたからだ。つまり石川君は‘引いて開ける扉’を押して開けたのだ。 だからといって別…