2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「いたたた・・・・・。」 「どうした?」 「魚の目ができてしまった。」 「ほうほう、魚眼か。」 「そうそう、視界は360度。」 「・・・・・」 「・・・・・」 「んなわけあるかっ!」 スッ (・・・・・こ、こいつ、背後からのツッコミをよけた!?)
神が世界を滅ぼそうと思ったのは別に「気まぐれ」というわけではなかった。前々から考えていたことではあった。 世界とは、神が七日間で創りあげたモノであり、神が自らに似せた住民とその住民たちが住む大地と海のことだ。なにせ世界はたった七日間で創った…
「・・・・・患者の・・・・・意識が・・・・このままでは・・・・・・危険・・・・・・」 目の前に川が広がっていた。 初めて見る川で向こう岸は見えない。 向こう岸が見えていないにもかかわらず、僕には目の前にあるモノが川で、向こう岸があることもわか…
姉が地図を持ってきて僕に見せた。地図は瀬戸内海のページだった。 「弟よ、弟はこの島の名前が読めるか?」 姉はそう言って小豆島を指さした。 僕が冗談のつもりで 「こまめじま。」 と答えると、「ふぅ~」と、わざとらしきため息をつきながら言った。 「…
「女たらし」になりたいと思いました。 「女たらし」、つまりモテモテの一形態です。ですが残念なことにモテモテであった経験がないので「女たらし」がどういう物であるのかがわかりません。でも、「女たらし」がどういうものであるかといったらおそらく「女…
「しかしのう、常習屋、殿への献上品をそちに任せるというのは簡単な話ではないぞ。我が藩では、殿への献上品はこれまで越前屋がとりしきるのがしきたりとなっておる。殿の覚えもめでたく、越前屋の評判もよい。」 「なにをおっしゃいますお代官様。わたくし…
「この世に問題児がいるのなら、その反対の存在も必ずいるはずだと思うんだよ。」 「なんだよ反対って。」 「問題児が問題なら、解答があるはずだ、いわば解答児。」 「なんじゃそりゃ?」 「世はなべて二極対立構造、古代中国の太極図だってそうだしキリス…
「七夕」 ↑こいつがどうしても「たなばた」と素直に読めません。(若さ故の反逆) 七夕の物語というと、平たく言えば天の川によって離ればなれにされたアルタイルとベガが一年に一度だけ会えるというお伽噺です。 どうしてアルタイル(わし座)とベガ(こと…
世界には嘘があふれている。 だけど、どうせ騙されるなら、優しい嘘にだまされたい。 たとえば、僕の目の前にちょっとスタイルよさげな女の人がいるとする。 スタイルいいなぁ、なんて思っても本当は騙されている。 すました顔のその下で、矯正下着とか、ヒ…
「ヤツの足取りを見失いました。」 「なんだと?」 「もうしわけありません、。すべての追跡が空振りです。」 「馬鹿な! 探せ、もう一度、クサイところから探せ!」 「は、しかし、まるで消えたみたいに気配すら消えてしまって・・・・・。」 「なに、消え…
「彼女への想いを手紙に託してみようと思う。」 「なに? いまどきラブレターか?」 「‘いまどき’って言うな。まあ‘古風’とでも表現してくれ。」 「ラブレターなんてやめとけ、時代にあってない。」 「いや、時代が変わろうとも不変のものは存在する。この俺…