かおなし=Faceless

日常だったり雑談だったり妄想だったり

ラブレター 2006-02-24

 「彼女への想いを手紙に託してみようと思う。」

 「なに? いまどきラブレターか?」

 「‘いまどき’って言うな。まあ‘古風’とでも表現してくれ。」

 「ラブレターなんてやめとけ、時代にあってない。」

 「いや、時代が変わろうとも不変のものは存在する。この俺の想いを彼女に届ける熱い言葉でペンを走らせる!」

 「ペンを走らせる前になにを口走っているのか!? とにかくラブレターなどやめておけ、この情報化社会にそのようなものは不要だ。」

 「情報化社会とラブレターになにか関係があるのか? よくわからんのだけど。」

 「安心しろ、俺にもわからん。まあそれはさておき、ラブレターなんてやめておけ。」

 「しかしこの俺の想いを伝える手段として・・・・・。」

 「ばか! そんな言葉は紙に走らせるんじゃなくて相手に直接伝えるんだよ!」

 「いや、しかし・・・・・。」

 「なんにおいても直接より強く伝わるものなんてない。ラブレターなんてものを経由して伝えずに、自分の想いは直接相手にぶつければいい、そのために人は言葉を書くだけじゃなくて話すことができるんだ。」

 「・・・・・そうか。」

 「ラブレターよりもお前が彼女へ直接言葉を伝えることが大事なんだ!」

 「うん、わかった!」

 「そしてなによりお前の将来のためにも!」

 「将来のためにも?」

 「余計な証拠は残すな。」