かおなし=Faceless

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フランダースの謎 2007-08-05

 やはりフランダースの犬は謎だ。
 WEB上でちょっと調べてみたところ、作者はイギリス人でベルギーフランドル地方の話らしい。
 主要な登場人物は画家を目指す少年ネロ、ネロの祖父、飼い犬パトラッシュ、村の金持ちコゼツ、その娘アロア。
 ネロは祖父が亡くなった後天涯孤独の身となる。なんとかアルバイトをしながら絵描きを目指し細々と生活をしていたが風車小屋が火事になった時、放火犯の疑いをかけられ生活に困窮し、また絵画コンクールに落選したことで絶望し、村を飛び出しアントワープの大聖堂に飾られているルーペンスの絵の前で死を迎える。
 謎だ。
 だいたいネロは本当に画家になる気があったのか?
 ネロは未だ少年、一度や二度コンクールに入賞できなかったからといって絶望していたらきりがない。コンクールには才能を持ち、その上で努力と研鑽をつんだものが多く応募するのだ。中には一度や二度の挑戦で入選するものもいるだろうがそれは特殊な例に過ぎない。画家は才能を努力で磨き、自分が描きうる世界を表現できるようになってこそだ。
 以上のことから少年ネロは、実力以上の自負心を持った思い上がりの強い性格であったと考えられる。また自分の努力をその価値以上にひけらかし、努力にたいし自分が思っているにふさわしい対価が得られないと不満に思う、おそらく友達にしたら嫌なタイプに違いない。
 またフランドル地方の村における自治活動はいったいどういうものなのか。いったい天涯孤独の少年が明日の食事も保証されないほどの困窮に追い詰められなければならない村とはどういうことなのか。放火犯の疑いをかけられたといっても疑いは疑いである。容疑が確定した犯罪者ですら牢獄で食事は出されるというのに、嫌疑をかけられたに過ぎない一少年が職を失い食べ物すら得られないとはさぞかし残虐な地方なのであろうか。
 おそらく村ぐるみでネロを迫害する目的があったとしか思えない。ネロは何かのスケープゴートに利用されたか、それとも隠蔽すべき秘密のために生け贄とされたか、どちらにしても陰湿な村だ。それともベルギーが舞台なのに作者はイギリス人ということは帝国主義イギリスによる巧妙なプロパガンダ活動の一環という線もある。

 

 そしてやっぱり姿を現さないフランダースとはいったい誰なんだ?

 

 こうなったらフランダースの犬を自分で納得がいくように書いてみるしかない。
 とりあえず謎というかポイントは

・ネロはどうして簡単に絶望したのか。
・ネロはどうして迫害されたのか。
・どうしてアントワープへ向かったのか。
フランダースが出てこない。

 

 本当の話は知らないけど、大筋で似ていたらいいなあ。