相談室
「オレは愛に生きる男、いつでも彼女への愛に燃えてるぜ。」
「ふーん、だからいつも燃え尽きて何も残らないんだね。」
こんばんは、恋愛相談室です。
医療相談の相談員なら国家資格を持つ医師が相談に乗ってくれ、法律相談ならたいていこれも国家資格を持つ弁護士あたりが相談に乗ってくれるわけだけど、恋愛相談室となると国家資格とかないわけで、いったいどういった基準で相談員として選ばれてくるのかが不思議だ。
やはり本当は僕が知らないだけでそれ相応の恋愛教育機関などが存在し、恋愛の資格試験や技術指導などが行われているのだろうか?
「お前に人を愛する資格なんてない。」
なんていうドラマでありそうなセリフは
「お前は無免だ。」
という意味だったのかもしれない。
やばい、僕も無免だ。
ここははやく指定教育機関を見つけて入校せねば。
しかし、教育機関で講師を勤める人間はいったいどういった人物なのだろうか。どれほどの恋愛経験の持ち主なのだろうか?
「先生はどれくらいの恋愛経験の持ち主なんですか?」
「2人。」
とかだったらあまり経験豊富とは言えまい。しかし
「先生はどれくらいの恋愛経験の持ち主なんですか?」
「10人。」
とかだった場合、10人のうち9人はすでに破綻して上手くいかなかったという見方も出来る。
どちらかと言えば、大勢の人と短期間で付き合ったり分かれたりするより「この人だ!」って思う人としっかりとした付き合いをしたい。だとしたら恋愛経験が豊富と言ってもものの見方によってはそれはまるで意味がないもののような気がする。だから僕はきっと経験豊かな恋愛講師に出会ってもその教えを請うことはないだろう。
「先生はどれくらいの恋愛経験の持ち主なんですか?」
「10人。」
「それってすでに9人は破綻したってことですよね。先生は恋人を捕まえるのが上手いだけで、特別な人と長く付き合いを続けることが出来ないんじゃないですか? それってあんあまりいい感じしないなぁ。」
「え、そんなんことはないですよ。長く付き合うのが苦手とか感じたことありませんよ。」
「えー、ほんとうですかー?」
「ええ、10人とも同時進行中ですから。」
「弟子にしてください。」(土下座)