かおなし=Faceless

日常だったり雑談だったり妄想だったり

佐賀さんと僕3

 ほら、もうすぐ2月も終わり、ということは今年ももうすぐ6分の1が終わるということだよ。で、今年に入ってからなんか変わったことあった?
 なんて話題を佐賀さんがするものだから、僕、早くも今年の出来事を振り返ることになりました。

 「そういや僕、今年になってから生まれてはじめてクラブへ行きましたよ。」

 「クラブ?」

 「あるクラブで僕の知ってる人がイベントとDJをやるというので見に行ったのです。」

 そしたら佐賀さん、なんかイヤ~な顔をします。
 なんでそんな顔をするのですか。

 「あぶない、あぶないのよクラブは。」

 いやいや、そういう店もあるかもしれませんが僕が行った店はそんな感じじゃなかったですよ。

 「ほらほら、あったじゃない、ほら、●稲田大学の集団暴行事件とか・・・・。」

 「集団暴行事件?」

 「知らないの?」

 「ええっとそれって大学生のサークルが起こした事件じゃないですか?」

 「そうそう、それそれ。クラブも似たようなもんでしょう。」

 いやあのね、佐賀さんあのね、ぜんぜん違うと思いますよ。ひょっとしてサークル活動といわゆるクラブ活動ってのと間違えてませんかね? 僕が言ってるクラブってのは部活とはぜんぜん違いますよ。

 「僕が言ってるクラブってのはお酒を飲んだり踊ったりするところなんですけど。」

 「そんなことわかってるわよ、サークルだってお酒飲んで集まって踊ったりしたりするでしょう。」

 いや確かにそんなサークルもありますけどね。でもそれだけじゃないと思うんですけど。なんか佐賀さんの言うこと、すごく偏ってますよ。

 「とにかくクラブってのは暴行とか集団レイプとか起こる危ない場所なの!もおう、ナカムラ君がそんなとこへ出入りするとはねぇ。」

 いや佐賀さん、いくらんでもそりゃないですよ。僕の知ってる人が主催でイベントをやったんですよ。
 じゃああれですか、僕の知り合いがイベントで暴行事件をやるとでもいうのですか? 僕もそれに参加して集団レイプ事件とか起こすんですか? クラブに来た人をいきなりレイプするんですか? 僕がレイプする人だとでも言うのですか? 僕がそんな人に見えますか? そりゃああんまりじゃないですか。僕も僕の知り合いだってそんなことしませんよ。


 てなことを僕、内心ではちょっと憤りながら考えていますと、さらに佐賀さんが僕に向かって言いました。

 「だからナカムラ君、自分の体が大事ならクラブなんか行っちゃダメよ。」

 え? 僕がレイプされる人ですか?