息子と会話するのが楽しい
「ジャムおじさんとバタコさんは、人間じゃないんだよ」
小学生の息子が何の脈絡もなく、どこかで聞いてきた豆知識を披露してきた。僕は答えた。
「知ってるよ」
会話が終わった。
終わってしまっては話にならないので続けてみた。
「ああ、知っていたともさ。無包装であちこち徘徊するアンパンマンの顔をちぎって誰かに食べせたり、食品工場の中で犬を飼ったり、それどころか時々犬にパン生地こねるの手伝わせてたり狂ってるよ。あいつら無茶苦茶だよ。食中毒とか出たらどうする気なんだ。あいつらのやってることはまともな人間じゃねえよ」
「そういう‘人間じゃない’じゃないよ! あの二人は’ようせい’なんだよ!」
「そうか、陽性だったか。すでにバイキンに侵されていたんだな」
「マジか!?」
いや、マジかじゃないだろ。