かおなし=Faceless

日常だったり雑談だったり妄想だったり

そして大人になる

 大人の階段上る 君はまだシンデレラさ

 

 

 人は自分でも気づかぬうちに大人の階段にいつの間にか足をかけ、上り始めている。

 今日、この日、この時が、大人の階段を上り始める第一段目とわかる人などはそうは居ないだろう。

 たいていの人は気づかぬうちに大人の階段を上りはじめ、気がつけばずいぶんと上って上がって初めて自分が大人の階段の途中にいることに気づくことだろう。

 大人の階段を上り切れば大人になれるというわけでもなく、大人の階段を上っているうちに気がつけば大人になっている。いやそもそも大人の階段を上り切ることなどできないのではないか。ずーっと果てしなく続く階段を、時には分岐もあるかもしれない、休憩も必要かもしれない、急な階段になったり緩い階段になったりするかもしれない。でもただ階段はどこまでも続いているのだ。

 大人の階段とは皆同じ階段ではなく、みな自分だけの大人の階段を上っている。大人の階段を上っていても皆それぞれの階段を上っているから、みな自分だけの階段を上っているから他の人のことをふと眺めたりすると時に近づいたり離れたり上にみえたり下に見えたりするもするだろう。でもそれはただの見え方だけのことであり、自分の階段を自分の力で進み続けることしかできない。ずっと上に見える人はそこへ上がるまでにきっと努力や知恵を絞りそこまでたどり着いたに違いない。

 そう、みな自分の階段を、僕は僕の階段を進み続ける。ただそれだけなのだ。

 

 

 ただ気になるのは僕の大人の階段は、上り階段ではなく下り階段の様な気がしてならないのです。

 果てしなく下っていく階段の終わりすら見えないのです。