3年4組金髪先生5 2005-08-19
さんねーん よんくみー きんぱつせんせーい
「で、希望の進路は?」
「もうどこでもいいからとにかく進学したいです。」
「進学ってなあ。はっきり言ってお前の成績で選べるところは・・・・・。」
「贅沢は言いません。とにかくどこでも入れるところならなんでもいいです。」
「そうは言ってもなあ。」
「そうは言ってもってなんですか!? はっきり言ってくださいよ!」
「無理!」
「というわけで三者面談です。」
「誰に向かって説明してるんですか?」
「いや、お気になさらずに。」
「で、息子の進路についてですが。」
「無理!」
「いや、いきなり無理ってあなた、それでも教師ですか!?」
「勉強だけでなく現実を教えるのもまた教師の務め。」
「いや、だからそこをなんとか。」
「進学というのは‘そこをなんとか’なんていう問題ではないのです。」
「こういってはなんだが、それなりに用意できるものもある。裏だろうがなんだろうが金で解決できるならいくらでも・・・・・。」
「馬鹿言っちゃいけませんよ! あなたは自分の息子の進路を、いったいなんだと思ってるんですか!?」
「自分の息子のことだからこそ、こうして恥を忍んで言ってるんじゃないか! それが、あんたにはわからないのか!?」
「わかっていないのはあなたの方だ。自分の息子の進路を金で解決しようだなんて、まるで肝心なことがわかっていない!」
「わかっていないってなんだ! 確かに私のやろうとしていることは間違っているかもしれない。そんなことはわかっている。しかしだ、しかしそれでもなんとかしてやりたいと思うこの私の・・・・。」
「あなたがわかっていないのはそんなことじゃない。あなたは自分の息子のことがまるでわかってないって言ってるんだ。」
「なにぃ? 私が息子のことを?」
「・・・・・とうさん。」
「なんだ?」
「オレ、イヤだよ。そんなの。」
「な、なんだ?」
「進学はしたいけど、父さんが心配してくれるのもわかるけど、でも、そんな卑怯なことするのイヤだよ。そんなズルで進学したって、オレ、その学校にどんな顔をして通えばいいんだよ。できないよ。」
「し、しかし。」
「‘しかし’じゃないよ。先生の言うとおりだよ。父さん、大事なことがわかってないよ、そういうのわかってよ!」
「おーまーえーもー、わかってない!!!」
「え? オレ?」
「お前の成績が金で解決できるレベルだったら、最初からそれをお薦めしてるってんだよ!」