かおなし=Faceless

日常だったり雑談だったり妄想だったり

凄いからと言って役に立つどころか 2004-07-23

 聖徳太子は同時に10人の話が聞けたという。

 

 10人の話を同時に聞けるというのは確かにすごい能力だ。でも、ビックリ人間コンテストなみの能力だ。あまり実用性がないと思う。
 どう考えても、10人の話を同時に聞き分けることができても、10人へ同時に返事をすることができたとは思えない。
 そう考えるとすごさのわりに、すごく非効率的だ。

 

 だいたい10人で同時になんの話をしたというんだろう?
 聖徳太子の職業は政治家だったのだから、政治の話をしていたのかもしれない。
 でも、十七条憲法では物事は話し合いで決めることになっている。
 だから10人が何を言っても

 「うん、じゃあそれについては今日の会議で決めよう。」

 って返事したに違いない。(10人全員に)
 つまり政治の話をしても意味がない。
 じゃあ、政治の話でないなら10人で何の話を聖徳太子にしたのだろう?
 案外、世間話だったのかもしれない。そんでもってグチを聞かされたり、悩み事を打ち明けられたり。

 「ちょっと聞いてよ、うちのだんながさ~・・・・・」「最近、息子と会話が・・・・・」「妻が、妻があぁ・・・・・」「それでね、あたし、言ってやったんですよ・・・・・」「でもね、あたしだってお義母さんに言いたいことが・・・・・」「いまさら、遊びだっただなんて・・・・・」「お前が今日は大丈夫って言ったんじゃねーか・・・・・」「だって、だって・・・・・」「どうすんだよこれから、面倒みれねえよ・・・・・」「愛してるって言ったじゃない!・・・・・」「それとこれとは話が別なんだよ!・・・・・」

 ・・・・・なんかすごく鬱陶しい。
 僕が想像しただけでこれだけ鬱陶しいのだから、実際に聖徳太子が聞かされたらもっと鬱陶しい気分になるだろう。
 でも話をする10人は、きっと聖徳太子ならすごくいい解決方法を教えてくれるって無責任に期待する。
 みんなに期待の目を向けられてあせる聖徳太子
 どうしようもないことを10人に聞かされて、回答まで求められた聖徳太子は苦し紛れに返事する。

 「そんなこと言われても、どう しようとくたいし(しようもないし)。」

 

 ・・・・・ごめん、今の、聞けなかったことにして。