公園
夕闇の公園。
ブランコで一人遊ぶ子供。
それをベンチで眺めるお年寄り。
「ねえ坊や。」
「なあに?」
「坊やはどこのおうちの子か知らないけれど、もうずいぶんと遅い時間だよ。もうすぐ真っ暗になっちゃうよ。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないよ、早く帰らないとお母さんが心配するよ。早く帰ったほうがいいよ。」
「心配いらないよ。もうすぐお母さんが迎えに来てくれるんだ。」
「ほお、そうだったのかい。」
「あ、ほら!あれが僕のお母さんだよ。」
「ほおほお、よかったのお、坊や。お迎えが来て。」
「うん、おじいさんもはやくお迎えが来るといいね。」
夕闇の公園。
逃げ惑う子供。
怒り暴れる年寄りとうろたえる母親。